◎そこにいつも歌があった
『プロローグ』

 本編は、『岐阜新聞』98年1月26日付朝刊〜98年8月28日付朝刊において連載された、好評エッセイ「そこにいつも歌があった」を加筆・修正しここに掲載するものです。

 誰でもそうであるように、気づけばいつも暮らしの風景のなかに歌があります。

 人生の景色に彩りを添えるのも、なぐさめや生きる勇気を与えてくれるのも、やはり巷間に流れる歌です。
歌はいつも、われわれのそばにあります。

 もちろんぼくにもまた、そうした忘れられないマイベストソング、というものがあります。
その時々に流行った歌やメロディを、胸に刻んだり口ずさんだりすることで、どれだけ救われ勇気づけられたことだろう。
気づけば、いつもそこに歌があったのです。

 というわけで、これからなつかしくも新しい、ぼくの音楽歳時記を始めたいと思います。
今までに体験した、あるいはこれから体験するであろう日常の悲喜こもごもを、マイベストソングとともに打ち明けたいと思います。

 そして同時にこれが、ぼくにとって、“21世紀に残したいベストソング”ということになりそうです。